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暴れ馬のようなビエイラの投球も小林となら安心して見ていられた

“ビエコバ”のハグも忘れ難い。

 2021年後半、巨人はCSに出られるか否かギリギリの戦いをしていた。小林は“抑え捕手”として8、9回に登場することが多くなった。守護神のビエイラはNPB最速166km/hの記録を持つ剛速球投手だが制球に難があった。そんな暴れ馬のようなビエイラの投球も小林となら安心して見ていられた。

 2021年9月1日のvs東京ヤクルトスワローズ戦。2-0で迎えた9回表、マウンドに上がったビエイラ。キャッチャーは小林。いつものようにビエイラの球に大きくうなずいて「うんうん。それでいいよ」とジェスチャーで伝える。

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 9番代打の神様、川端を三振。1番塩見をショートゴロ。2番青木を三振に仕留め、ゲームセット。ビエイラは恐竜のような雄叫びを上げ、グータッチからのガシッと抱き合うルーティン。あ~たまらん。

 その日、ビエイラは32試合連続無失点という外国人新記録を打ち立てた。サムギョプサルがビエイラならほうれん草ナムルは小林。主菜の味は付け合わせ次第でいっそう美味しさが増す。

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 筋肉増強中の推しには鶏のささみも入れよう。きゅうりは薄切りにして塩もみ。梅干しで和えてさっぱりと。

 キャロットラペは男性ウケがいいとは思わないが彩りとカロテン摂取のために。目の栄養となるカロテン(=ビタミンA)で選球眼に磨きがかかりますように。

「世界のKOBAYASHI」が降臨していた

 思い起こせばWBCに出場していたときの小林は9番打者ながら7試合で打率.450、1本塁打、6打点。「世界のKOBAYASHI」が降臨していた。

 25打席で102球、つまり1打席平均4球を相手投手に投げさせていたデータもある。球数制限のあるWBCでは地味にきいていたはずだ。

 出場機会さえあれば打撃も、選球眼も悪くない。試合に出られない日々も毎日バットを振り込んできた。自信を持って打席に立ってほしい。ささみと人参を食べているのだから、大丈夫。

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 いよいよ弁当も佳境だ。ゆで卵は白出汁と黒酢につけて味玉にしておいた。

 “令和の米騒動”は起きていない巨人だからたっぷりの白米を詰めて、おかずを載せていく。

 小林がチームメイトの今村信貴や大城卓三らと食事会をしたとき、酔っぱらっていた小林がおにぎりを掴み、「この白球を追っかけよう!」と叫んだエピソードも海苔でラインを描いたマッシュポテトの野球ボールに詰め込んだ。

その笑顔を見るたびに、明日も頑張ろうと思える

 年俸1億円の4年契約が終わり、今季、年俸は3000万円(推定)になった。昨季は21試合の出場、わずか9打席。今年の春季キャンプも初の2軍スタートで、1軍にいられるかさえも危うかった。でもファンは心から渇望していた。小林が這い上がる瞬間を。

 3月19日ロッテとのオープン戦では、登場曲ゆずの「with you」がかき消されるほどの大歓声のなか、「代打小林」が同点ヒットを放った。

 ヒットを打ったときの笑顔、バッテリーで相手を打ち取ったときの笑顔、チームメイトの活躍に喜ぶ笑顔、勝利のハグのときに見せる笑顔。その笑顔を見るたびに、明日も頑張ろうと思える。

 どこぞのアンチが「なんだ顔ファンか?」と囁いたって関係ない。顔が好きで何が悪い。顔も好きだし、捕手としての立ち居振る舞いも、メディアで見聞きする人間性も大好きなんだ。どうか1日でも長く現役でいて私に活力をください。

 この弁当に詰めたエールがいつか小林誠司に届きますように。

©たかぞう

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