新しい時代の“継承”のあり方
――最後にこれからの展望について聞かせていただけますか。
庭田 テレビ局の一員として情報を発信していきながらも、個人としての活動にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。その一つとして、いまは映画製作に取り組んでいるんです。2024年の2月中旬から3月末までクラウドファンディングをさせてもらって、資金を募りました。もともとの目標額は300万円だったんですけど、多くの人に関心を寄せていただけて、結局600万円ほど集まり、いま色々と準備を進めています。
番組や映画を制作して終わりではなく、トークイベントやカラー化写真展を開催して、視聴者や鑑賞者と直接対話できる機会を作りながら、一方通行なコミュニケーションじゃないかたちで作品を届けられれば嬉しいです。
感性に響くというか、心に響くというか。誰かからお願いされるのではなく、自ずから「伝えたい」と思えるような、そういう伝え方をしていけたらいいなという気持ちがあるんです。私達は当時の惨状や苦しみを100%理解できはしないでしょうけれど、それでも、そうした方々の心に寄り添って、受け取った「想い」や「記憶」を自分なりに表現することは誰にでもできるはず。それこそが新しい時代の平和の継承の一つのあり方になるんじゃないかなと考えているんです。