和歌山地裁で行われている須藤早貴被告(28)の裁判員裁判は、大詰めとなる被告人質問に突入した。元夫で和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)に対する殺人罪と覚醒剤取締法違反の罪に問われた須藤は、無罪を主張。被告人質問初日の11月8日、公判の大きな焦点となる覚醒剤購入の経緯について、「野崎氏本人から依頼された」と新証言をした。(#8から続く)
2018年2月8日、月100万円の契約で野崎氏と「愛のない」婚姻を結んだ須藤。夜の夫婦関係は新婚初夜から冷え切っていたことを明かした。同年3月から同居を開始した後、添い寝には応じつつ、求められてゴム手袋越しに野崎氏の下半身を触ることもあったが、55歳年上の元夫は勃起せず。口淫を要求されても須藤は断固として拒んだ。
ネットで「薬物 裏掲示板」と検索
「4月になって、社長(野崎氏)から『もうダメだから、覚醒剤でも買ってきてくれませんか?』と言われました」(須藤の証言内容より)
覚醒剤は、同年5月24日夜、野崎氏の命を奪った違法薬物。須藤は購入の経緯を証言台でこう振り返る。
「社長から覚醒剤でも買ってきてくれと言われ、冗談かと思って、『お金をくれるならいいよ』と応じました。すると社長はバッグから現金20万円を出して渡してきました。私はそれを自分の口座に入れました」(同前)
口座の記録によれば、入金は同年4月1日。だが、須藤は野崎氏の要求を放置していたという。
「その後、社長から『あれ、どうなった?』と催促されたので、『マジなの?』と思いました。買えと言われても、買い方が分からなかったので、ネットで『薬物 裏掲示板』と検索をしました。裏掲示板という言葉を調べたのは、中学生の時、警察官が学校の体育館で薬物についての授業をしてくれたことがあり、『薬物の売買は繁華街の路地裏または裏掲示板で取引されている』と言っていたのを思い出したからです」(同前)
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source : 週刊文春 電子版オリジナル