『男はつらいよ』映画公開55周年記念 歴代マドンナが明かす寅さん秘録
第19作『男はつらいよ 寅次郎と殿様』(1977年)
私なんかで務まるかな……。この『寅次郎と殿様』への出演は、とにかく不安でした。前々作の『寅次郎夕焼け小焼け』は、私が所属していた劇団民藝の主宰者のひとり宇野重吉が孤独な日本画家を演じ、クールできっぷの良い芸者を太地喜和子さんが見事に表現した傑作でしたから。私はまだ劇団研究生で、舞台『桜の園』でアーニャ役を演じ、映画では『忍ぶ糸』くらいしか出演してなかった頃です。自信がなかったんです。
でも、いざ現場へ行くと、山田洋次監督は演技指導をしてくださって、すごく優しい。現場全員がファミリーという感じでホッとしたことを覚えています。
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source : 週刊文春 2025年1月2日・9日号