NHKドラマ10『宙(そら)わたる教室』の放映が、十二月第二週で完結した。

 都立の東新宿高校定時制に理科教師として赴任した藤竹(窪田正孝)と、彼の呼びかけに応じ科学部に集まった、年齢も境遇も様ざまな生徒たち。そんな彼らが部活を通し思いもよらぬ化学変化をおこす。

 透明感ただよう表情で、科学、とりわけその実験と研究の意義を説く藤竹を演じた窪田の演技が素晴らしい。その人柄にひかれ集まった生徒も魅力的だ。

窪田正孝 ©文藝春秋

 金髪で左右の耳にはピアスが十個。そんな風体の岳人(たけと・小林虎之介)は計算なら複雑なものもできるのに、文章問題になるとからきし駄目。

 藤竹は岳人がディスレクシアだと見抜く。読み書きが困難な学習障害だ。専用のタブレットを利用すると、教科書や試験の設問が難なく理解できる。

 俺は馬鹿だから文章の意味がわからねえ。そんな劣等感が吹っ飛んだ。

 立ちくらみと頭痛で起立性調節障害と診断された佳純(伊東蒼)は保健室登校が続く。保健室のノートに佳純は愛読書のアンディ・ウィアー『火星の人』の記述を真似て、日々の様子を記した。そう、佳純はSF小説の愛読者なのだ。

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source : 週刊文春 2025年1月2日・9日号