かつて名門と言われた東京女子医科大学の経営トップ逮捕を、新聞やテレビは一斉に報じているが、捜査関係者からのリークを競っている感も否めない。この問題を最初から報道してきた筆者としては、本事件の核心とは何か、そして女帝の不正を世に知らしめて逮捕に繋がった、勇気ある内部告発者についてお伝えしたい。(全3回の第3回/最初から読む)
内部告発者を報復人事で懲戒解雇
2022年当時、女子医大は批判的な報道を警戒して、内部監査室に元公安刑事などの警察OBや弁護士らを次々と加えて、体制を強化していた。職員によるメディアへの情報提供を抑止する狙いだったようだ。
同年4月6日、岩本絹子容疑者の不正資金について、週刊文春と著者は連名で女子医大に質問状を送付した。これを受けて、内部監査室は秘密警察のごとく、カネを扱う経理部門のパソコンや携帯電話、メモなどを押収。やがて、経理課長と事務長の2人に狙いを定めて、連日のように聴取を実施した。
精神的にも追い詰められてた女子医大病院事務長の女性は、心に大きな傷を負ったと話す。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル