「もう仕事はやめたい」田村正和の詫び状

「週刊文春」編集部

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 どんな作品でも上品さ、ダンディーさを漂わせ、私生活は一切明かさず、死の際にも美学を貫き通した孤高の俳優。彼は役者としての限界を、才能を見出してくれた恩人の娘に伝えていた――。60年のスター人生を見事に演じ切った「人間・田村正和」の実像に迫る。

 昭和を代表する人気作家・柴田錬三郎の長女である斎藤美夏江のもとに、一通の手紙が届いたのは3年前、2018年のこと。

 差出人は当時74歳の田村正和。20代の頃から繰り返し演じ、当たり役となった柴田原作の「眠狂四郎」を19年ぶりに演じる「眠狂四郎 The Final」(フジテレビ系)が同年2月に放送されたばかりだった。

 手紙に記されていたのは、「引退します」という言葉。

 自ら“俳優・田村正和”に幕を下ろす――それは彼が貫いた美学に他ならない。

 4月3日、田村は心不全のため、港区内の病院で息を引き取った。2月に風邪をこじらせて検査入院し、妻と一人娘が看病を続けていた。妻は親しい人に、「物が口から食べられなくなるとダメね。最後は点滴だったから」と漏らしていたという。

 その死は家族によって、1カ月以上伏せられていた。生前、家族やプライベートについて語ることのなかった田村らしい最期だった。

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source : 週刊文春 2021年6月3日号

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