ああなんてもったいない……。芸能人が薬物使用で逮捕されたとのニュースを耳にする度に残念な気持ちで胸がいっぱいになる。幻滅した云々というよりむしろ、もうこれからしばらくは地上波で彼らのパフォーマンスを見ることは難しくなるだろうことや、閉ざされてしまった未来に哀しみを覚えて仕方がない。一方で、もしかしたら彼らはようやく捕まったことで救われたのかもしれない、とも思う。そう考えるようになったのは、きっと私が『マトリの推し事 芸能人の家宅捜索をやりたくて』を読んで妙に解像度が上がっているからだろう。
入省3年目になる麻薬取締官・通称マトリの城戸久美子は日々の仕事に疲弊し、大好きな推しの俳優・江崎曽蘭だけが心の支えだった。薬剤師免許までとって何でこんな仕事をしているのだろうかと、ついに辞表をポケットに忍ばせて出勤したところ、朝礼で江崎が容疑者の一人として挙げられていることを知る。ガサ入れで推しの家に入れるってこと……? スイッチの入った久美子はその日からマトリの仕事に一心不乱に励むようになる。
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source : 週刊文春 2025年9月25日号






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