昨年とあるタイムスリッパーを主人公にした映画がたった1館の上映から口コミで火がつき、大いに話題となった。幕末からタイムスリップし、現代の街並みに圧倒されながらも静かに現状を受け入れ、自分にできることを探して生活していこうとする主人公の健気な姿に胸打たれた一方で、正直ちょっと考えた。誰もこの人が幕末から来たことを知らないなんて孤独すぎない? あと病院代は撮影所の保険が下りるにしたって本人確認書類は必要では!? そんな誰もが一度は疑問に思ったことがあるだろうタイムスリップにありがちなご都合主義の裏側を丁寧に描いているのが『タイマド 〜タイムスリッパーおもてなし窓口〜』だ。

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source : 週刊文春 2025年9月11日号