世の中に祝日は数あれど、「敬老の日」ほど、どんな顔してればいいのか、困る日はありませんね。

 そういえば昔、姑のところに箕面市の職員の方が「おめでとうございます」と言って、敬老の日の“お祝い”を持ってきてくれたことがありました。「お義母(かあ)さん、敬老の日のお祝いをいただきました」と言ったら、「嫌だわ。年寄りみたいじゃないの」。年寄りなんですけどね。

 で、いざ、開けてみたら現金が入ってたんです。5000円。姑はタオルかなんかやと思ってたんでしょうね。「まぁ」なんて顔が輝いて、さっと自分の財布の中に仕舞ってました。その素早いこと! 今も「敬老の日」というと思い出しますね。

Q

 宮崎の実家に帰省するたびに、父から墓掃除に駆り出されます。墓参りは昼頃に家族みんなで行くのですが、その前に「綺麗にせにゃならん」というので、早朝から1時間ほどかけて2人で掃除するのです。私が小学生のころからの習慣なのですが、私も40半ばをすぎました。有難いことにここ数年で出世をして、部下が増えて、仕事は一段と大変になり、疲れも増しています。正直、帰省したときぐらいはもう少しゆっくり寝ていたいし、子どもとのんびり遊びたいと思うのですが、いつもそんな調子でヘトヘトになります。30年以上にわたる父の習慣は尊重したいのですが、早朝から1時間も磨かなくても――と思ってしまいます。上沼さん、父を納得させつつ、たまの帰省を家族みんなで楽しく過ごす方法はないでしょうか。

 

(46歳・男性 東京都)

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source : 週刊文春 2025年10月2日号