今年3月、自民党本部8階のホールに居並ぶ聴衆の前で熱弁を振るう一人の女性の姿があった。〈SNS等を活用した効果的な選挙運動について〉と題されたその講演で配布された資料は、A4サイズで20枚。ページを捲っていくと、どこか既視感のある「コメント例」が並んでいて……。

 小泉陣営の“ステマ疑惑”を「週刊文春」電子版が報じたのは、9月24日のことだった。自民党総裁選で、小泉進次郎農相の選対で広報班長を務めていた牧島かれん元デジタル相(48)。その牧島氏が、「ニコニコ動画でポジティブなコメントを書いて欲しい」などと、メールで陣営内に要請していたことが発覚したのだ。記事では、これが一種のステルスマーケティングではないかと指摘。牧島事務所からのメールでは、書き込んで欲しい文言として、以下のような〈コメント例〉が24パターンも例示されていた。

小泉選対の広報班だった牧島氏 ©時事通信社

〈あの石破さんを説得できたのスゴい〉

〈去年より渋みが増したか〉

〈「保守政党 自民党の神髄」出ました〉

 こうした“小泉アゲ”の言葉が並ぶ一方、〈ビジネスエセ保守に負けるな〉〈やっぱり仲間がいないと政策は進まないよ〉などと、高市早苗前経済安保相を想定したと見られる誹謗中傷のような文言も含まれていたことが物議を醸した。報道を受け、牧島氏は広報班長の職を辞任した。

ステマメールには高市氏を揶揄するようなコメントも ©時事通信社

以前にもこうした依頼を…

 小泉陣営の関係者が話す。

「陣営側のスタンスとしては、あくまでも専門家の助言を得て作成したものを牧島氏の事務所が陣営内に配信したというもの。現在、牧島氏は党広報本部のネットメディア局長を務めていることから、党のネットリテラシーの低さを露呈する事案。ステマに関与したという印象を与えたくないため、彼女を表舞台から隠すことにしたのです」

 ところが――。

「今回のステマ騒動に牧島氏が無関係だとは思えません。以前にもこうした依頼をしているのを目の当たりにしています」

 そう打ち明けるのは、今年3月10日に行われた党団体総局主催の「各種団体協議会研修会」に出席した自民党関係者だ。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル