【前回のあらすじ】十四歳下のひな壇芸人の恋人を持つ、ニュース番組『フラッシュ11』のメインキャスター・鷲尾粧子(50)は、ディレクター・加藤と共に〈オーバードーズ〉特集第二弾を準備中。そんななか、加藤は親友の「週刊文春」記者・速水理央(34)の助言をヒントに、お笑い界の大御所・ウォッチャー目黒を番組のゲストに呼んではどうかと粧子に提案する。

 

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〈若者の自殺は、死のうと思い立ってから実行に移すまでの時間が極端に短いんです。平均すると一時間かからない。三十分から一時間の間でしょうか〉

 加藤ディレクターが取材してきた精神科医の話を聞いた時、粧子は、驚きはしたがどこか遠い感じがした。

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source : 週刊文春 2025年10月23日号