【前回までのあらすじ】ニュース番組『フラッシュ11』のメインキャスター・鷲尾粧子(50)。ディレクター・加藤と進めた若者の薬物依存に関する特集第二弾は振るわなかった。だが加藤は、大御所芸人のウォッチャー目黒を番組のインタビュー・コーナーに呼ぶという次の企画実現に意気込み目黒に会いに行く。数日後の夜中、粧子は相談があるという加藤の部屋に向かった。

 

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「男同士って……どこへ訴えればいいんですかね」

「はい?」

 何を言われているのかわからず、粧子は訊き返した。

「え、待って。訴えるってそれ、訴訟的な意味で言ってる?」

 加藤は眉根に皺を寄せて黙ったままだ。

「どうしたのよ、いったい。わかるように説明してくれないと」

 思い詰めた目が、赤く血走っている。やはりただ事ではない。

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source : 週刊文春 2025年11月20日号