日本のリーダーに問われる“金銭感覚”は、財政の舵取りだけではない。自身の懐はどうなっているのか。資金源や支払先を調べると、不可解なケースが次々と浮上して……。高市早苗首相本人の「政治とカネ」を徹底検証する。
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「そんなことより、議員定数削減をやりましょうよ」
11月下旬、国会の党首討論で高市首相はそう発言した。「話題を転換するため」と釈明したが、そんなこと、と切り捨てた議論は企業・団体献金の規制だ。
まず肝いりの議員定数削減の方は、施行1年後に自動的に実現する法案を今国会で審議する。連立相手・維新の意向を汲んだものだ。

なりふり構わない高市首相の態度には、理由がある。
「維新の遠藤敬氏が、『定数削減ができなければ維新は国民民主、公明が出している企業・団体献金規制強化の法案に乗る』と伝えています」(政治部デスク)
裏金事件も記憶に新しい自民党が、目を背けたい「政治とカネ」。根深い政治不信の主因の1つであり、政局を言い訳に後回しにすべき議論ではない。高い支持率と期待を背にしてもそこに踏み込めないのは、高市首相自身にも後ろめたさがあるからではないか。
既に、首相が代表の政党支部が「鳥羽珈琲」(代表は鳥羽博道ドトール名誉会長)から、同社が寄附可能な上限を超える1000万円を受け取っていた問題が報じられた。だが、問題が潜むケースはこれだけではない。
11月に公開された政治資金収支報告書をめくり、宰相が説明すべき、不可解なカネの流れを追った。
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source : 週刊文春 2025年12月18日号
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