計画が立てられない。立てられたとしても守れない。
小学生の夏休み前に書いた円グラフの様な毎日の計画表。朝は6時に起きラジオ体操に行く、絵日記は毎日書く、家事を手伝う時間なんかも書いてあったりして。宿題は8月の半ばには終わらせる、等々……。毎年初手から躓いた。1日目からラジオ体操には行けず、1週間程過ぎると計画表があることも忘れて夏を満喫。そして8月31日には必死でウソ絵日記を量産していた。
大学受験の時も酷かった。「あれ? 受験……?」と気付いたのは高2の最後。周りはとっくに受験勉強を始めていた。中高一貫校で高校受験をしていない分、英語は中2レベルで止まっていた。一貫校の負の部分代表としてのんびり過ごしていたのだ。
高3の春、担任との進路相談。「どこ受けるんや?」と訊かれて志望校を言うと、食い気味に「は?」と言われた。食い気味の「は?」と、その後に続く乾いた笑いは今も脳裏に刻まれている。中2レベルの英語力の僕にその志望校、担任の反応は至極真っ当なものだった。だが、その「は?」で火が点いた。志望校をその一校に絞った。私立文系の3教科。まずは英語をなんとかせねばならぬ。その大学の英語は熟語が中心なので、長文読解を捨て、ひたすら熟語を叩き込むことに。
社会科の選択、日本史か世界史か。元々、スーパーウルトラハイパーシングルタスクの僕は、一つのことしか出来ない難儀な脳味噌を抱えて生きている。そんな僕に世界史はハードルが高かった。ヨーロッパの歴史を学んでいる最中に「一方その頃中国では」みたいな事が起きる。世界中至る所の年表がジグザグに入り乱れ、僕の頭は大混乱。その点日本史の年表はいい。ずっと日本。どこを切っても日本。たまに外国に目がいってもまた直ぐに日本。一直線に伸びる年表の気持ちいいこと。ということでひたすら日本史を叩き込むことに。
現代国語だけは苦労しなかった。この作者は何を言いたいのか、この人物はこのとき何を思っていたか等を問う問題は、ほぼ脚本を読む能力だ。それだけは当時から備わっていたのだと思う。「他の科目はポンコツだったんだけど、現国だけは得意だった」という人が役者に多いのは当然と言えば当然だろう。ということで国語はほぼ放置した。
なかなか成績は上がらなかった。夏が過ぎ、秋を越え、冬。12月になっても模試の判定はD。4月からずっと模試はボロボロだったが、予備校の先生の「現役生は入試ギリギリに伸びる。特に英語は一気に伸びる」という言葉を信じ、楽観的に志望校一点突破を目指していた。そして本番。志望校以外も一応何校か受けてみた。結果、志望校だけ合格した。恐らくギリギリの合格だったと思う。
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source : 週刊文春 2026年1月22日号






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