柴門ふみという漫画家をご存じだろうか。彼女の作品のいくつかはドラマ化され、一世を風靡した。彼女を育てたのは何を隠そう、わたしである。彼女のデビューが早かったため、わたしは「教え子の七光り」と呼ばれ、中には「どうせ教え子の真似しているんだろう」とか「土屋? だれそれ?」などと言われてきた。

 彼女にストーリーをどうやって作っているのか聞いた。こう書くとわたしが弟子みたいに聞こえるが、質問するのがわたしの教育スタイルなのだ。彼女の説明ではいくつかキャラクターを決め、それらが勝手に動いていくというのだ。次はどうなるか作者本人も知らない。そうしないと流れが不自然になるという。

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source : 週刊文春 2026年2月19日号