
台湾で去年から今年にかけての年越しを過ごしたのだが、訪れた場所で一番印象に残っているのは、新年に高雄からフェリーに乗り、ごく短い移動時間で到着できる旗津島だった。観光客だけでなく、フェリーには飼い犬を連れていたり、スクーターごと乗船する客もたくさんいて、地元の人は本当に気軽に島と本土を行き来している雰囲気があった。
上陸してからは小高い山のような、丘のような、という場所を登った。はたからは高さはそれほど無いように見えたが、実際登ってみると力強く傾斜がかかり、道は歩きやすいが途中休憩スポットも無く、灯台のある高台に着くころには、息が上がっていた。
カラフルに塗られた外壁や屋根の家々が連なる、島の町の景色や太陽に照らされて広がる海を眺めていると、浜辺の方から、ブラスバンドの音が聞こえてきて、見に行くことにした。
ブラスバンドは想像よりも年配の人たちが、台湾ではおなじみっぽいが私は知らない曲を、大勢で次々とにぎやかに演奏していた。やがて立ち止まって聞いている人たちがみんなで歌い出して、特に中学生ぐらいの男子のグループの子たちが、ノリノリで大きな声で歌っていたので聞いてるだけで楽しくなってきた。
メロディーからおそらく台湾で古くに作られたと思われるその歌は、現地ではとてもポピュラーな曲で、歌詞を見なくても、そらで歌える人が多いほど、みんなによく知られているのだろう。この季節の歌なのか、それとも一年中いつでも人気の歌なのかは分からないけど、あのときの歌でまとまった広場の一体感は忘れがたい。
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source : 週刊文春 2026年2月19日号






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