天皇ご一家が観戦する天覧試合となったワールドベースボールクラシック(WBC)日本対オーストラリア戦。試合は1点を追う7回に吉田正尚(ボストン・レッドソックス)の2ランで日本が逆転。8回には追加点を挙げて3連勝で、1次リーグの1位突破を決めた。
日本はこれで米フロリダ州・マイアミで行われる準々決勝への進出を決めたが、メジャーリーガー相手の米国での戦いに救世主となる投手がいる。前日の韓国戦に続いて連夜の奪三振ショーを演じた種市篤暉投手(ロッテ)である。

ファンがこのシンデレラボーイの持つ力を一番知っている。吉田の逆転2ランの興奮が冷めやらぬ、直後の8回のオーストラリアの攻撃だった。グラウンドに散っていく侍ナイン。その中で場内アナウンスが種市の名前を告げると、満員に膨れ上がった東京ドームに大歓声が湧き上がった。
奪三振男の登場である。
前日の韓国戦。同点に追いつかれた後の7回だ。3番手としてマウンドに送り出された種市は強打の韓国打線から三者連続三振を奪う快投で、試合の流れを一気に日本へと持ち込んだ。

その奪三振ショーを知るからこそ、スタンドのファンもこの男の名前に一気にボルテージが上がったのである。
そして種市は、その期待にまたも快投で応えた。
先頭のT・ケネリー外野手をあっさり2球で追い込むと、最後は落差の大きいフォークボールで空振り三振。続く1番のT・バザーナ内野手を遊ゴロに打ち取ると、2番のC・ミード内野手のバットも空を切らせた。
1ボール2ストライクから今度は高めの154kmのストレートで空振り三振に仕留めて、打者3人から2つの三振を奪う期待通りの投球は、ゲームの流れを一気に日本へと引き寄せるものだった。
「勝ち越した中での登板だったので、昨日よりプレッシャーは大きかったけど、自分の持ち味は出せたかなと思います」
わずか11球での完璧な投球を本人はこう振り返った。そして何よりこの種市の見せた連夜の投球は、連覇を目指す日本チームにとっては救世主となるものだった。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル
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