(前回の続き)

 ようやく(なか)(ぐすく)モールの方に呼んで頂いたタクシーが到着した。

 これで沖縄人魚像ハンティングの旅もおしまいかと思うと、何だかおセンチメンタルな気持ち。

 それにすっかり日も暮れた。「すぐ戻って来ますので」と、僕は運転手さんに言って小走りでもう一度、建物裏手のビーチに向い、誰もいない海で人魚像姉妹に“じゃ、またいつか”と別れを告げた。すると、

 “いつかって、いつよ?”

 と、姉の声。そして、

 “お姉さん、いいじゃないの、そんなこと言わなくても”

 と、妹のフォローが入る。

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source : 週刊文春 2026年6月4日号