私たちの生命維持に欠かせない重要な役割をもつ腎臓。女性は、閉経後に腎臓病が一気に進行しやすい。人工透析が必要な末期腎不全に陥らないために、何ができるのか。早期発見のポイント、劇的に進化した治療薬を知ろう。
 

●閉経すると一気に進む…検査の要注意ポイント

●「1日1kg増は危険」むくみセルフチェック

「かつて腎臓病は、1度悪くなったら最後、もとには戻らないと考えられてきました。しかし今、その常識は劇的に変わりつつあります。適切な時期に正しく対処しさえすれば、腎機能低下を抑制し、通常と変わらない生活を続けることは十分に可能な時代なのです」

 そう語るのは、京都大学大学院医学研究科腎臓内科学の柳田素子教授だ。腎臓病のメカニズム解明の功績が評価され、医学研究に貢献した科学者が推薦されるAmerican Society of Clinical Investigationのメンバーに日本人としては異例の認定を受けるなど、世界の第一線で活躍する腎臓病の権威である。世界最高峰の腎臓病治療ガイドライン策定組織「KDIGO(ケイディゴ)」の理事も務める。

 

 現在、日本における慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2000万人で、成人の5人に1人が罹患している計算だ。

 そもそも腎臓とは、どのような役割を担い、なぜ機能が低下してしまうのか。

 腎臓は、背中の腰のあたりに左右1つずつある握りこぶし大の臓器だ。

「一言で言えば、血液を濾過してきれいに洗い、不要な老廃物や余分な水分を尿として出す『血液のクリーニング工場』です。血圧の調整や赤血球をつくるホルモンの分泌など、全身の環境を一定に保つ役割も担っています」

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source : 週刊文春 2026年7月9日号