ずっと顔が痛い、歯が痛い、舌がひりひりする……歯科に行っても、検査しても、原因が分からない。そんな状況ならば、「特発性口腔顔面痛」かもしれない。女性が患者の9割を占めるこの疾患の仕組み、治療法を知ろう。
●「特発性口腔顔面痛」患者の9割は閉経後の女性
●受診遅れが多い理由、「65%が改善する」治療方法
「歯が1日中じんじん痛む。抜歯しても痛みがまったく引かない」
「舌や上あごなどの口腔粘膜がずっとひりひりしている」
原因不明の顔や歯の痛みが絶えず襲う『特発性口腔顔面痛』。患者の9割が女性で、そのほとんどが閉経後の発症だ。レントゲン写真や口腔粘膜には異常が見当たらないため、診断や症状の改善を求めて、いくつもの医療機関をはしごする患者が後を絶たないという。
「特発性口腔顔面痛は大きく分けると、口の中に火傷のような痛みが生じる『口腔灼熱痛症候群(BMS)』と、原因不明の歯の痛みや顔の痛みが持続する『持続性特発性歯痛』および『持続性特発性顔面痛』の2つです。特発性は医学用語で『原因不明の』という意味で、医療現場でも『検査で異常なし』と片付けられがちでしたが、立派な疾患です。近年、痛みを感知する脳の機能の変調で生じることが分かってきました」
そう語るのは、静岡市立清水病院口腔外科の井川雅子歯科医師。1990年から同院で口腔顔面痛の外来を担当し、著書『口腔顔面痛がわかる本』(共著)も持つ口腔顔面痛の第一人者だ。

BMSは人口1000人に1人、特発性歯痛・顔面痛は1万人に3人の割合で存在するとされている。こう聞くとそれほど多く感じないかもしれないが、悩む人は決して少なくない。
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source : 週刊文春 2026年7月16日号






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