【前回のあらすじ】これは事実に基づいた物語である。父・秀一、母・亜弓のもとに生まれた耀。血液型検査がきっかけで、耀が秀一の子ではないことが発覚し、両親は離婚に至った。耀は幼稚園に編入するが、園では次々に異変が起こり、耀が年長組に上がるまでの1年数か月のあいだに、7名が退園した。また亜弓は、耀を受け入れなかった私立幼稚園を新聞に告発した。
4
日下秀一はその日、家族と銀座の歩行者天国を歩いていた。
すでに9月も半ばを過ぎていたが、朝から快晴で正午を回るころには夏日になった。
オレンジのカップジェラートを口に運びながら左隣を歩くのは、長女の紗香だ。幼稚園から上がった私立小学校に通い、今は3年生だ。
亜弓や耀と別れてからすでに3年半が経っている。日下家には新しい家族が増えていた。
真ん中に紗香を挟んで秀一と反対側を歩くのは、秀一がちょうど1年前に再婚した相手、瀬里だ。亜弓のときは、式を盛大にしたくても向こうの親族の数がかなり少なかった。今回は、秀一が二度目ということもあり、近い親族やごく親しい友人だけの内輪の結婚式を挙げた。
秀一より7歳年下の瀬里は現在妊娠5か月で、安定期に入りそろそろお腹が目立ちはじめるころだ。耀の件があるので“絶対”とは言えないが、自分の子に間違いないと信じている。
初回登録は初月300円で
すべての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2026年7月23日号






お気に入り記事