【前回までのあらすじ】これは事実に基づいた物語である。父・秀一、母・亜弓のもとに生まれた耀。耀が秀一の実子ではないことが発覚し、両親は離婚した。秀一は瀬里と再婚し、瀬里は妊娠する。亜弓は離婚前に秀一の口座から二千万円を引き出し、実家のタンス預金も盗んでいた。ある日アパート火災が起こり、亜弓が死亡する。秀一に、耀を引き取れないかという連絡がきた。
だからこそ、血がつながっていないのに親子とみなされるからこそ、不愉快なのだ。
「紗香も今さら一緒に暮らしたくないと思うよ」
「でも……」
「その話はここまでにしよう」
延々と続きそうな瀬里の訴えを無理やり中断した。
「――とにかく、耀を引き取るつもりはない」
しかし、そう言ってはいられない事態になった。
7
「何かほかに食べたいものがあったら、遠慮なく言ってね」
テーブルの上には、寿司、ハンバーグ、ピザ、サラダなどが、すでに余地がないほどに並んでいる。
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source : 週刊文春 2026年8月6日号






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