碁盤の目の中で生きていたと気付いたのはカイロの街にいた時だった。
大学1年の夏、エジプトでバックパッカー。まずは首都カイロの街をウロウロしていた。大阪で育った身としては、道を間違えても角を曲がって次の辻に出られれば元の道に戻れる碁盤の世界に慣れていたから、カイロの放射状の道には戸惑った。角を曲がって次の辻に出ようにもまるで違う道に入り込んでしまう。一歩路地に足を踏み入れた瞬間、ふむ、ここは治安があまり良くないかもと感じることも。幸い特に危ない目に遭うこともなかったが、徒歩での移動は少し大変で、面白かった。都市の成り立ちの根っこから違う感じ。今はどうか分からないが、その頃のカイロには野良犬が多く、威嚇の為に小石をポケットに入れておけと言われたりもした。
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source : 週刊文春 2026年8月6日号






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