忙しい時、一番最初に後回しにするのはいつだって自分のこと。仕事とか、友達付き合いとか、家族とかだと、どうしたって誰かが困ったり苛立ったりする表情が具体的に思い浮かんで心がぐっと苦しくなる。その顔を見なかったふりをする元気もない。それなら自分が寝なかったり我慢したりするほうがずっとずっと楽な気がして。でもそうやって自分をないがしろにしてきた罰って、ある日底が抜けてどかっと降りかかってきたりするんだよなあ。『たいていのことはめんどくさい』を読んでいて思い出したのは、ある日急に何を食べても味がしなくなった時のこと。あれは正直、堪えた。

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source : 週刊文春 2026年9月10日号