散歩が好きだ。あえて1駅となりのカフェを目指して歩いてみたり、意味もなく2駅前で電車を降りてみたり。東京に来たばかりの頃は行動範囲を広げるため、あえて適当なバスに乗って適当なところで降りて、できるだけケータイに頼らずに家に帰るべくふらふらと街を徘徊するのが休日のお決まりだった。そのころ『ふたり街あるき』を読めていたら、きっともっと散歩を味わえていただろう。
大学進学を機に上京し、一人暮らしを始めたヒナ。住んでいる街を便利だけどどこか面白みのない所だなと思っていたが、ある日その近所の何の変哲もない街角をカメラで撮っている青年・カゲを発見。思わず「何 撮ってるんですか?」と問うたことをきっかけに、マンガのプロアシスタント志望であるカゲの資料集めに付き合い、2人で一緒に街歩きをするようになる。
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source : 週刊文春 2026年10月15日号
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