ついに五輪開幕。選手村から走り去る人々…「バブル方式」は崩壊していた

「週刊文春」48歳記者 五輪バイト潜入記 #4

甚野 博則

電子版オリジナル

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 8月12・19日夏の特大号で「小誌記者『選手村バイト』でわかった安全・安心のウソ」と題する記事を発表した「週刊文春」の甚野博則記者(48)。だがこの記事の内容は、膨大な取材データのほんの一部に過ぎない。電子版オリジナル記事として、甚野記者が誌面には書けなかった“選手村の真実”を詳細にレポートする。(全4回)

◆甚野博則(じんの・ひろのり) 1973年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーなどを経て2006年から「週刊文春」記者。2017年に「『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』実名告発」で、19年に「証拠文書入手! 片山さつき大臣 国税口利きで100万円」で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」スクープ賞を2度受賞。

※前回の記事を読む

大会関係者としてカウントされていないバイト

◆7月23日(金)

 この日は20時からオリンピックの開会式。私は14時から19時まで選手村で勤務である。

この日の気温は34℃

 東京の最高気温が34度を記録。うだるような暑さで汗がとまらない。13時過ぎにPSA(選手村のスタッフ入口)を通過し、私は選手村の中の「SEA VILLAGE」と呼ばれる居住エリア前のベンチに腰をおろした。今日は選手村内の人出が多い。

開会式当日は人出が多い

  今日もひたすら肉体労働。この日はロッカーの数を超えたスタッフが出勤してしまったようで、ロッカーがない者は私服や私物をビニール袋に入れなければならなくなった。私たち「更衣室担当」はこの大量のビニールの山を保管することになった。ビニールにはマジックで番号を記し、これを番号順に並びかえた。そして更衣室に急遽、簡易的な棚を作り、袋を番号順に並べる作業を行った。

 期間限定である選手村の仕事では、想定外のトラブルが度々発生し、その度に場当たり的に対処することになる。

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source : 週刊文春

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