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吉本社長を唸らせた 野田クリスタルに驚異の出世法を直撃

「週刊文春」編集部
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「トレーニングジムの開業にゲーム開発。こんなに色んな企画、吉本興業は普通、通さないですよ!」(モダンタイムス・としみつ)

 昨年、ピン芸人としてR-1、コンビではM-1優勝に輝いたマヂカルラブリー・野田クリスタル(34)。いま最も勢いのある芸人は、吉本内でも異例の“出世”を遂げているようだ。

「松本人志の生まれ変わり」と公言
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 野田がお笑い芸人を志したのは高校1年の時。バラエティ番組『学校へ行こう!』(TBS系)の「お笑いインターハイ」で優勝した後、高校生ながらインディーズのライブに出演するようになる。当時の様子を野田が“師匠”と慕う、前出のとしみつが振り返る。

「ライブの日は高校に『仕事』と伝えて欠席してました。学校の話は全くしなかったし、友達も1人もいなかったのでは。文化祭すら行かずに、客が全然いないライブに出ていた。その時からお笑いで天下を取ることを狙ってましたね」

 高校卒業後は郵便局でバイトをしながら地下芸人として活動。2007年、法政大のお笑いサークルに所属する村上が野田に声をかけ、マヂカルラブリーを結成した。その私生活は、およそ芸人らしからぬものだ。

「飲み会嫌いで、主催ライブの打ち上げにも顔を出さないし、ギャンブルや女遊びもしない。服もファンからの贈り物をいつも着ているし、散髪も行きつけはカット1200円のQBハウス。趣味はゲームとハムスターの飼育、あとは松本人志に憧れて7年前から始めた筋トレです」(芸能記者)

 野田が所属するユニット「大宮セブン」のメンバー、囲碁将棋の文田大介が語る。

「楽屋ではずっとパソコンを見ています。独学でゲームプログラミングを習得したのですが、プロの人が彼のプログラムを見て、独特過ぎてどうやって動いているのかわからない、と驚いていました(笑)」

 そんな野田だが、M-1優勝後には仕事が激増。早朝にテレビのロケを2本こなし、劇場にもフルで出演する日々が続いたという。

「月収1000万円の月もあったようで、今年の年収は億に届くのでは。M-1王者の称号は1年でなくなるので、売れるためにやれることは全部やると言っていた」(モダンタイムス・川崎誠)

「野田が思いついたことを、吉本も全部実現させてあげている。次の世代を担っていくボスに育てて行きたいのかも」(前出・としみつ)

 一方、疲労も色濃い。

「大きいサイズのレッドブルを日本酒をすするようにちびちび飲んでいた。弱ってて、一気に飲めないんだよと(笑)」(前出・文田)

目標は「働かないこと」

現在開発中のゲーム画面

 多忙な日々の合間を縫い、今年4月にはゲームソフト「スーパー野田ゲーPARTY」(Nintendo Switch)を発売。さらに8月には吉本が始めたゲームの新サービス「FANY GAMES」の“社長”に就任した。

 ゲーム開発に携わった「面白法人カヤック」のディレクター後藤裕之氏が語る。

「通常の格闘ゲームはプレイヤーを操作しますが、野田さんは後ろにいる客に着眼して、客を操作するゲームにしようと提案。お笑いで培ったノウハウを流用して、理論的に面白いものを作る能力がすごいんです」

 さらに、7月には自身の名を冠に持つパーソナルトレーニングジム「クリスタルジム」までオープンさせた野田。2つの趣味を仕事にできたのはなぜなのか、本人を直撃した。

――ゲーム開発とジムの開業をどう実現させたのか?

「(岡本昭彦)社長に直談判しました。M-1王者は社長との食事会があると聞いていたので、どうプレゼンするかずっと考えていたんです。実際に提案したら、社長が『絶対、それええやん!』とノリノリで、僕の案に乗ってもらえました」

――どうプレゼンした?

「ジムについては利益が出る風なことを言って、そこで教える若手芸人にもお金が回ると説明しました。その結果、開業資金も全部吉本が出してくれました」

――収益は?

「ジムのギャラはトレーナーとして働いた分のみです。でも、自分のジムがあって、好きに使えるだけでもすごいことだと思っているので。野田ゲーの売り上げはすべて次作にぶち込んでいます」

――それでいいんですか?

「極端な話、1000万手元に入ったところで何に使うの?って話。でも、ケンドーコバヤシさんに、『社長に直談判するなら、レギュラー番組欲しいとかじゃないの?』って言われてハッとしました。レギュラー番組で筋トレする番組作れば筋トレできるなとよく考えたら思ったんです。だから、ものすごく頭が悪いんだろうなと思います(笑)」

 そんな野田に、最終的な目標を聞いてみると……。

「働かないことです(笑)。天下取ったら、お笑いはしなくていい。山の頂上に登山家は住みませんよね。ゲームやジム、単独ライブは仕事だと思っていないので、そういうもので埋め尽くされたらいいですね。今だけ働いて、50歳で隠居することを目指します」

 吉本にとってはマヂでカルくない存在である。

吉本・岡本社長も野田の才能に投資

source : 週刊文春 2021年9月16日号

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