この号が発売される翌日の10月8日、将棋界では最高峰の棋戦が初日を迎える。そう、竜王戦七番勝負の第1局。豊島将之竜王対藤井聡太三冠のタイトル戦が始まるのである。
前身の「十段戦」が発展的解消を遂げて1988年に発足したこの竜王戦。将棋界には歴史と伝統を併せ持つ「名人戦」があるが、その名人位と並ぶ最高位の棋戦の誕生に棋界は沸いた。
その第1期竜王戦七番勝負第1局。米長邦雄九段対島朗六段(当時)の対局は名古屋市内のホテルで行われた。
その場所は私にとって思い出の地。同じ88年の2月に急逝された師匠、板谷進九段がまだお元気な頃のこと。代理の命を受けてホテル内のイベントで将棋指導をしたことがあったのだ。
竜王戦当日、19歳で三段の私はあの日の空を目に焼き付けた。
(いつか自分も竜王のタイトル戦に出るんだ)
光陰矢のごとし、あれから33年。未だ見られぬその世界を、当時の自分と同年齢の藤井三冠が見せてくれる。まずはこのシリーズを楽しみたい。
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source : 週刊文春 2021年10月14日号