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「この流れでいいぞ」に呆然 “いい人”森保監督の落とし穴

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「週刊文春」編集部
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「勝てない要因はいくつもあるが、一番は森保一監督が“いい人”すぎるからですよ」(スポーツ紙記者)

 サッカーW杯アジア最終予選を戦う日本代表。オマーンとサウジアラビアに敗れ、7大会連続出場に黄信号が灯った。

 10月7日のサウジアラビア戦では後半に柴崎岳の不用意なバックパスが奪われ、決勝点を献上。だが、森保監督は「あのパスのズレは疲労と言えるものではないのかな。ピッチに立たせた私の責任」とかばったのだ。

 最近は不安定なプレーが多い柴崎の起用にこだわるのも理由があるという。

「広島をJ1で3度優勝させた実績から前回のロシアW杯にコーチとして呼ばれ、ベスト16入りに貢献。そこで中軸を担った欧州組に絶大な信頼をおくようになり、特に吉田麻也と柴崎をリスペクトしている。2人には真っ先に戦術などの相談をするほどで、どれだけミスをしても柴崎を中盤の主力として重用し続けています」(サッカーライター)

 だが欧州組への気遣いでチームは危機に陥った。

「最終予選初戦で格下オマーンに敗れましたが、守備の要の冨安健洋を出場させなかったのです。理由は名門アーセナルとの移籍交渉のため、本人が現地入りする必要があったから。選手たちは『ここまで本気で選手のキャリアを大事にしてくれる監督はいない』と感激していたが、試合に負けたら元も子もない」(同前)

 普段の行動から“いい人”感が溢れている。代表関係者が明かす。

「食事会場では、選手やスタッフ全員が先に食べ始めるのを待ってからビュッフェの料理を取りに行くほど“選手ファースト”。誰に対しても腰が低いし、悪く言う人はいません」

 五輪代表監督も兼任していた森保監督だが、メダル獲得を逃した東京五輪ではこんなシーンもあった。

 準々決勝のニュージーランド戦。延長に入る直前、吉田や遠藤航が中心となり、ホワイトボードを使って戦術の議論を闘わせていたが、監督は離れた場所にポツンと立って眺めているだけ。仕舞いにかけた言葉は「この流れでいいぞ!」。選手たちの間では「いやいや監督、ヤバイ流れでしょ」と呆れた空気が広がった――。

 就任当初から日本人選手が苦手とする「プレーの自主性」を高めようとしてきた森保監督だが、「あまりにも選手任せで、悪く言えばほったらかし。勝負に徹するシビアさや局面を打開する戦略もない。選手たちも『監督の人柄は好きだが、このままでは勝てない』と危機感を抱き始めている」(サッカー専門誌記者)。

「ポイチさん」と呼ばれて慕われてきたが、このまま“ポイ”されても仕方ない。

source : 週刊文春 2021年10月21日号

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