「選挙特番で政治家にどう聞くか」|池上彰 

池上彰のそこからですか!? 第501回

池上 彰
ニュース 政治 メディア テレビ・ラジオ

 衆議院総選挙が終わりましたが、今回はとりわけテレビ各局の選挙特番が話題になりました。選挙で当選あるいは落選した政治家に、どのような質問を投げかければいいのか。それが問われました。

 最近のテレビ各局のキャスターによる厳しい質問は、前からあったわけではありません。10年以上前の民放各局の選挙特番での政治家へのインタビューは、おしなべて「いまのお気持ちは? 勝因(敗因)は何でしょうか? 今後どのような活動をしていくおつもりですか?」というものでした。要はNHKの選挙特番と同じようなものでした。

 これが変わるきっかけとなったのが、2010年7月に放送された「TXN参院選特番 池上彰の選挙スペシャル」でした。TXNとはテレビ東京をキー局とするネットワークのこと。他の民放局に比べて組織も小さく、人員も少ないテレビ東京は、それまで午後8時からの選挙特番を放送できないでいました。

 そんな状況を払拭したいというテレビ東京報道局の熱意に打たれ、このときから私がメインキャスターをお受けしました。この番組で、政治家たちに容赦ない質問を連発したことが話題となり、高視聴率を獲得したことから、各局とも考えを改めたのです。

 それ以降、NHK以外の各局は、政治家への厳しい質問をためらわなくなりました。「厳しい質問をしてもいいんだ」と気づいたのです。

 それまで選挙特番といえば、各局の政治部の記者あるいは政治部出身のコメンテーターが主に質問をしていました。彼らは選挙の後も政治家との良好な関係を維持していかなければなりませんから、政治家を怒らせるような質問はしなかったのです。これが「政治家に忖度している」という視聴者の不満につながっていました。しかし私は社会部記者出身。政治家との良好な関係を維持しようとは思っていませんから、直球の質問も投げることができたのです。

 また、テレビ東京の番組では、公明党と創価学会との関係も取り上げました。創価学会が公明党を支持し、学会員が熱心に選挙運動していることは、政治部記者にしてみれば常識のこと。わざわざ取り上げるなどバカバカしいと思っていたのです。

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source : 週刊文春 2021年11月18日号

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