「当時は(目標が)ぶっ飛んでると思ったが、目指していたから必然だった」
大谷翔平(27)のメジャーリーグMVP獲得に際し、こうコメントしたのが母校・花巻東高(岩手)の野球部監督、佐々木洋氏(46)だ。恩師は大谷の才能をどう開花させていったのか。
岩手県出身で佐々木監督と親交の深い漫画家の三田紀房氏が語る。
「彼は非常に負けず嫌いで、『絶対日本一になる』ということを常々、口にしています。言葉にすることでそれが当たり前になり、行動につなげられるのでしょう」
国士舘大野球部時代は寮を追い出されるほどやんちゃだったという佐々木監督だが、ある時転機が訪れる。
「自己啓発本の『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル著)を読み、感銘を受けたそうです。野球人として大成しなかった自分の後悔を味わわせたくないと、『0時間授業』と呼ばれる朝のミーティングでその内容を菊池雄星投手や大谷選手らに説いてきた」(スポーツライター・氏原英明氏)
大谷の野球への姿勢を育てたのは、そこでの「人間の行動は将来への『投資』と今だけの『消費』に分かれるから、人生の今後につながるものに多く投資しなさい」という言葉だった。
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source : 週刊文春 2021年12月2日号