新型コロナウイルスの新規感染者数が減って、旅行客が増えるなど、日本国内ではコロナ禍前に戻りつつあったのに、ここへ来て「オミクロン株」が発生。日本政府は原則として全ての外国人の入国を禁止し、水際で感染を防ごうとしています。やれ、やれ、また不自由な日々が続くのかとがっかりしている人も多いでしょうね。年末年始はどうなるのか。

 オミクロン株は南アフリカで見つかったのに、なぜ南アフリカ以外の国からの人も入国禁止にしたのでしょうか。それは、オミクロン株が南アフリカで生まれたとは言い切れないからです。

 アフリカ諸国は医療機関が貧弱なところもあり、コロナ患者の把握が十分できていませんが、南アフリカには専門の研究機関もあるため、新しい変異株だと気づけたのです。

 つまり、各国に感染が広がっているのは、南アフリカ発祥とは限らないのです。他国で誕生した変異株のウイルスが南アフリカで発見されただけかも知れないからです。そこで、南アフリカやその周辺諸国だけでなく、世界中を対象に“鎖国”に踏み切ったというわけです。

 そこで今回は、改めてコロナウイルスについておさらいをしておきましょう。

 コロナウイルスは、「スパイク」と呼ばれるトゲトゲがいっぱいあって、これが人間の細胞の表面の受容体に、いわば刺さるような形で取り付き、細胞内に侵入します。いったん侵入に成功すると、細胞を乗っ取り、自分のコピーを大量に作らせます。細胞がウイルスでいっぱいになると、細胞を破って外に出て、さらに別の細胞に向かっていきます。

 人間の免疫は、「ウイルスが入ってきた!」と緊急事態を知らせ、ウイルスと戦いますが、このとき高熱を発し、細胞が炎症を起こしたりして、発病します。

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source : 週刊文春 2021年12月16日号