ロシア軍が新年早々にもウクライナに侵攻する準備をしている。最大17万5000人を動員した本格的な軍事侵攻の計画だ。

 これは、アメリカの情報機関がまとめた報告だとして、今月3日、アメリカの「ワシントン・ポスト」が報じたニュースです。

 なんと、いまの時代に、まるで第二次世界大戦のような危機が迫っているというのです。この情報を裏付けるかのように、ロシア軍はすでにウクライナとの国境沿いに約12万人の兵力を集結させています。

 現代は、宇宙の偵察衛星によって地上の兵力の移動は丸見え。ロシア軍は、大規模な兵力の移動を見せつけて、ウクライナに圧力をかけているのです。

 もしロシア軍が軍事侵攻したら、アメリカはどうするのか。この情勢に危機感を抱いたアメリカのバイデン大統領は、今月7日、ロシアのプーチン大統領と電話会談をして、軍事侵攻を思いとどまるように求めましたが、成果を上げることはできませんでした。

 いったい何が問題になっているのか。そもそものきっかけは2014年2月のことです。ロシア寄りの姿勢を強めていた当時のヤヌコビッチ大統領の政治に反発した人々が首都キエフでデモを繰り広げ、これを弾圧しようとした治安部隊と衝突した結果、ヤヌコビッチ大統領は失脚。ロシアに亡命しました。

 大統領が逃げ出した後、ヤヌコビッチが莫大な資産を貯め込んでいたことが判明。大統領の広大な自宅が一般に公開され、腐敗政権ぶりが明らかになりました。

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source : 週刊文春 2021年12月23日号