週刊文春 電子版

まるで変異しないコロナ報道

新聞不信

「週刊文春」編集部

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「オミクロン株」が最初に報告された南アフリカでは「デルタ株」に代わって早くも主流になっている。欧州各国でクラスターが報告された。英国はワクチンの3回目接種を加速している……。それはもういい。感染力は強いらしいが、重症化しやすいのか。感染を防ぐための措置は本当に機能しているか。知りたいことはたくさんある。

 夏場に蔓延した「デルタ株」の感染者が日本で急減した理由を今もって説明できない。それなのに再びメディアに出まくって、真顔で「それくらいなら誰でも言える」と突っ込みたくなることしか言わない専門家の話を聞いても虚しいと思っているのかもしれない。

 それには同意する。しかし、例えば検疫の現場がどう運営されているのか、「名ばかりコロナ病床問題」は解消したのかなど、取材することはいくらでもあるのに、入国者への政府の対応が二転三転したことを、まるで鬼の首を取ったかのように書くのは怠慢の裏返しというものだろう。

 11月29日に外国人の全面的な新規入国停止が決まると、同30日付朝刊は「入国停止 首相駆け足」(朝日)「水際対策甘さ 政府教訓」(読売)と肯定的に報じた。

 その後、航空各社に日本に到着する国際線の予約を停止させるという国土交通省の荒業が飛び出し、これがやりすぎ批判を浴びて12月2日に撤回された。すると今度は「予約停止『先手』ちぐはぐ」(朝日)「水際『迅速さ優先』混乱」(読売)と叩く。

 海外駐在で年末年始を日本で過ごそうと思っている人には大変申し訳ないが、コロナ対策でスピードを優先すれば、勇み足があるのは半ば当然ではないか。それを紙面で大展開し、失策だと指摘する偏狭さに心の貧しさを感じる。

 米国でもオミクロン株感染者が確認された。これを受けてバイデン大統領は「パニックを起こす必要はない」と語り、都市封鎖は行わず、経済活動や学校教育に極力影響を与えないという考えを示したと読売は伝える。

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source : 週刊文春 2021年12月16日号

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