いよいよ安子編もクライマックス。制作統括の堀之内氏が、気になる「今後の見所」と「㊙トリビア」をコッソリ明かしてくれた。
まずは、二代目ヒロイン・深津絵里(48)が登場する「るい編」の見所から。
「舞台が大阪に変わります。1962年の大阪は、華やかな香りを残す大都会。そこへ、18歳のるいが岡山を出て単身一人で飛び込んでいく。ある種の“上京物語”です。深津さんには、るいの18歳から演じて頂いていますが、本当に綺麗で可愛いんです」
こんな嬉しい情報も。
「るいも安子と同じように素敵な恋をします。脚本の藤本有紀さんが描く安子と稔のラブストーリーに胸をときめかせた方は、今回も期待していて下さい!」
もう一つ気になるのが、濱田岳(33)演じる橘家の長男・橘算太の今後。12月13日の放送では戦地から帰還する姿が描かれたが、
「中身は詳しく言えませんが、また出てきますよ」

実は算太役を演じるにあたり、濱田はNHKにこんなことを言っていたという。
「無理あるなぁ」
一体なぜ?
「濱田さんに13歳の子ども時代から演じて頂くことを伝えると、『無理あるなぁ』と(笑)。でも、最初の1、2話から描かれるお兄ちゃんの存在は物語の核になります。これが子役だと感情移入しにくいのではないかと思い、濱田さんの力に頼りました」

橘家の祖母・橘ひさ役の鷲尾真知子が語る。
「濱田さんが13歳の設定で、チェック柄のシャツとズボンの衣装で現場に現れた時は思わず笑ってしまいました。でも、彼が『僕、13歳です』と言うと本当にそう見える。不思議な魅力をお持ちでした」
濱田がNHKにツッコミを入れたのは、この“13歳問題”だけではない。前出の堀之内氏が続ける。
「算太はチャップリンのように踊る役だとわかっていたのですが、事前に濱田さんに踊りの経験があるか確認しないままにキャスティングをしたんです。ダンス練習の時に『俺がリズム感なかったらどうしてたの?』と笑いながら言われたんですが、きっと濱田さんなら大丈夫、という確信がスタッフの間にあって。濱田さんはNHK大阪制作のドラマに何度も出演して下さっていて、スタッフともすごく仲が良いんです。無茶ぶりをすればするほど120%で返してくれるので、ついつい甘えてしまう。濱田さんにはかなり高齢まで演じて頂く予定です」
さらに、堀之内氏は「これはどこにも出ていない情報だと思います」と「㊙トリビア」も教えてくれた。
「実はオープニングのタイトルバックで、月曜日だけ他の曜日と違う動きをするキャラクターがいるんです。ペーパークラフトで出来た女の人がオフィスでパソコンを打っている場面なのですが、月曜日だけコクンコクンと居眠りをしているような様子で。『月曜日はちょっと億劫だよね』という気持ちを共有しようという、コマ撮り作家・竹内泰人さんの遊び心です」
気付いている読者がいたら、相当なカムカム通だ。
「あと、『電車のシーンはどうやって撮っているんですか?』と聞かれることが多いですね。車両を横半分に切ったような構造のセットを使っているんです。それだけだと動いている感じが出ないので、4、5人のスタッフが外から車体をゆっさゆっさと揺らしている。発車する場面では、最初は少しずつ揺らしていくなど、揺らし方の強弱を工夫しています。車窓に影が横切る場面もありますが、あれは外で照明さんが長い棒を持って走っているから。結構“アナログ”に作っているんですよ」
source : 週刊文春 2021年12月23日号