朝ドラ史上最年長ヒロインを演じる深津絵里(48)。そんな彼女はチャーミングな雰囲気とは裏腹に――。

97年の「踊る大捜査線」(フジテレビ系)で恩田すみれ役を好演してブレイクした深津。10年の映画「悪人」でモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞するなど、いまや日本を代表する女優だ。
橘金太役の甲本は、「踊る大捜査線」で共演した深津を絶賛する。
「いつも本当に穏やかな方で明るい。一緒に芝居をしていると、セリフを意識しなくても、自然と出てくるくらい、その世界観に引き込ませてくれる女優です」
「ザ・マジックアワー」(08年)などで深津を起用してきた三谷幸喜監督も、雑誌「ぴあ」(08年5月23日号)のインタビューでこう語っている。
「深津さんは歌でも芝居でもカンのいい人。(アドリブでも)絶対に笑わない。NGも出さない。もう鉄の女。絶対に崩れないタイプ」
他方で、近年の深津と言えば、流行りのSNSで情報発信もしなければ、番組宣伝などバラエティに出演することもめったにない。
「私生活には“鉄のカーテン”を引いているのが、彼女の流儀。あくまで演技で見せる“職人肌”の女優です。かつては民放の連ドラが主戦場でしたが、最近は映画が大半。実際、連ドラ出演は、08年に木村拓哉が主演した月9『CHANGE』(フジテレビ系)以来、実に13年ぶりとなります」(ドラマ関係者)
そんな“鉄の女”をどうやって口説いたのか。制作統括の堀之内氏が明かす。
「個人的な話ですが、テレビドラマを一番見ていた20歳頃に燦然と輝いていたのが、深津さん。『踊る大捜査線』や『空から降る一億の星』が大好きです。憧れも含め、一緒に仕事をしてみたいとずっと思っていました。もちろん、何にでも出て下さる方ではないし、深津さんが納得できるような役柄でないとお願いすることすらできないと思っていました。だけど、今回の朝ドラは3世代・100年を描く物語。是非、その核になって欲しいと思ったんです」
そこで、手紙に想いをしたためたという。
「企画の意味合いと、どうして深津さんに出て頂きたいかということを綴って。そしたら、今までやったことがないような挑戦というものに惹かれて下さったようで、『役に立てるようであれば是非やってみたい』と言って下さいました。本当に嬉しかったですね」
48歳にして、るいが18歳だった頃から演じる深津。年内にも登場予定だ。
source : 週刊文春 2021年12月23日号