「朝から泣ける」との声が相次いでいるNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。上白石萌音(23)が初代ヒロインを務める「安子編」がいよいよクライマックスに差し掛かる中、安子の義父・雉真千吉を演じた段田安則(64)が「週刊文春」の取材に応じ、共演者との交流など撮影秘話を明かした。
段田は1957年1月24日生まれ、京都市出身。1981年に野田秀樹氏が主宰する劇団「夢の遊眠社」に入団し、1992年の解散まで主力俳優として活躍した。1996年にはNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で双子の主人公の父親役を好演。昨年放映の「半沢直樹」(TBS系)でも半沢とぶつかる常務役を熱演し、話題を呼ぶなど、日本を代表する名バイプレイヤーである。
子役全員の面倒を見て遊んであやしていた上白石に感心
――段田さんが演じた千吉はどんなキャラクターでしたか?
「時代は日中戦争が始まる前、一代で雉真繊維を築き上げた人で、今の父親像とは違いますよね。ただ、会社経営者として厳格でありながら、家族を愛する人です。2人の息子を大学まで進学させ、いい子に育っている。ちょっと妻の美都里(YOU)が不思議な感じですけど(笑)」
――初代ヒロイン・安子を演じた上白石萌音さんの印象は?
「上白石さんとは、2年前にNHKのBSドラマ『令和元年版 怪談牡丹燈籠』で共演させてもらいました。萌音ちゃんはオバケの役でね。それが初めての共演で、今回は2度目です。彼女は芝居もとても良くて、息子の稔(松村北斗)と結婚してもらいたいと思える義理の娘を演じてくれました。
感心したのは、安子の娘のるいが赤ん坊の頃、子役が何人かいたときのことです。本当は撮影の合間にセリフの練習をしたいだろうに、子役全員の面倒を見て遊んであやしていた。普通は、本当のお母さんやスタッフの方がそばにいて、面倒を見ることが多いはずなんです。萌音ちゃんに『疲れるだろう?』と聞くと、『いいんです。子どもが好きなんです』と答えていました。おかげで子どもたちもすっかり懐いていて。画面上でも本当の親子のように見えたのではないでしょうか」
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source : 週刊文春 2021年12月23日号