朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で2代目ヒロインを務める深津絵里。大分のヤンチャな少女はいかにして、“ひなたの道”を歩む女優にまで上り詰めたのか。恩人、同級生、監督らが彼女の知られざる実像を明かした――。
「あの時の13歳がこんな49歳になるなんて、思わんかったなぁ……。去年、朝ドラの出演が決まった時にメールしたら、『緊張してるけど、楽しみです』と返事が来た。るいの岡山弁は九州の方言と少し似ているところがあって。絵里ちゃんが10代の頃、銀座でお母さんと方言全開で話していたら、『銀座で言わんでもらっていいかね』って恥ずかしがって。『あんたも大分県人やろー!』と言って、2人で絵里ちゃんを怒らせたりして(笑)」
そう目頭を熱くするのは、女優・深津絵里(49)と家族ぐるみの付き合いをしている飯倉里美さんだ。
深津が2代目ヒロイン・るいを演じるNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。現在は、安子(上白石萌音)の娘・るいが故郷の岡山を離れ、大阪で運命の人と出会い、京都で母へと成長する姿を描いている。実年齢から30歳も離れた18歳役の熱演も話題を呼び、番組最高視聴率(18.6%)を更新中だ。
「そろばんやあんこの炊き方など慣れない動作も多いはずですが、深津さんは馴染むまで徹底して練習してきます。それっぽく見えるだけでは気が済まない。本当のプロフェッショナル。三谷幸喜監督が『NGを絶対出さない、台本も見ない女優』と絶賛するのも分かります」(NHK関係者)
いまや日本を代表する女優へと上り詰めた深津。彼女の物語は、Since1973 大分県で始まった――。
母の故郷である別府市で生まれ、大分市郊外の数千の戸建てが並ぶ新興団地で育つ。襟足を刈り上げたショートカット。コムサのシックな洋服に身を包んだ少女は、団地でもひときわ目を引く存在だった。
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source : 週刊文春 2022年2月10日号