キャンプイン直前の1月31日、阪神・矢野燿大監督(53)が突然、今季限りでの退任を発表した。
本人の説明によると決断をしたのは、わずか5厘差で優勝を逃した昨シーズン終了後だった。球団に責任をとって辞任を申し出たが、慰留されて続投となった。しかしその時に慰留した藤原崇起オーナー兼球団社長(69)は1月1日付でオーナー職専任に。また最大の後ろ盾だった谷本修球団副社長(57)も4月1日付けで阪神電鉄本社スポーツ・エンタテインメント事業本部長への転出(オーナー代行兼務)が決まり、直接の球団業務からは離れることになった。
「親会社の阪急阪神ホールディングス主導で、実質的には谷本さんを現場から外すことを目的とした人事だと言われています。今後は百北幸司社長と粟井一夫副社長のコンビで球団運営を行なっていく。谷本さんはこの人事にかなり抵抗したとも聞きました」(スポーツ紙デスク)
最大の理解者が“飛ばされ”、その人事に気持ちが抑えられずに“暴発”した。もちろんそればかりではないにしても、そうした状況が引き金となって、今回の不可解な退任発表となったのではというのが複数の阪神関係者による分析だった。ただ、それにしても監督がシーズンを前に退任を発表するなどというのは、球界の常識としてはあり得ない。やはり暴挙と言われても仕方ないことなのである。
「いかにも矢野監督らしいな、というのはありますね。元々が非常に感情的。昨年のサイン盗み騒動のときも、やっていないという気持ちもあったかもしれませんが、審判にアピールされたことに激昂して、20歳そこそこの村上(宗隆内野手)にあんな口汚い言葉を発してしまう。しかも執念深いですから。今年の監督会議でもわざわざサイン盗み騒動を蒸し返して『悪くない』と主張しましたけど、自分の発言への反省の弁は一切ない。そういう大人げのなさが、矢野監督らしいといえば矢野監督らしいところです」(同前)
なぜキャンプ直前に
もちろんこの“暴発”までにも、矢野監督の中で様々な葛藤があったことは想像できる。ただ、ここで退任を発表するくらいなら、監督をやるべきではなかったという声が、球界関係者からは多く聞かれるのも確かな事実なのである。
「監督という仕事は契約があってもなくても1年勝負。どの監督もシーズンの結果次第で、ユニフォームを脱ぐ覚悟は持ってやっている。敗れて責任を取るのなら、昨年のソフトバンク・工藤公康監督のようにいくら慰留されてもスパッと辞めるべきでした。そもそもキャンプ直前にこんな形で今季限りの退任を発表するなら、続投した意味が分からないと言う阪神OBも多いですね」(同前)
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source : 週刊文春 2022年2月17日号