人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
「純がいやらしい番組に出て、いやらしいことを言っとった!」
と、おじいちゃんがかなり御立腹だったって話。亡くなって随分後にオカンから聞かされた。
オカンにしたら自分の父親。複雑な思いでそれまで黙っていたのかも。
小学4年生の時から僕はおじいちゃんに習字を教えて貰っていた。
毎週、土曜日、うちの家から電車で6駅行った所におじいちゃんの住んでる“庵”があり、通ってた。
庵とは、風流人など浮世離れした者や僧侶が執務に用いる質素な佇まいの小屋のことを指すが、息子夫婦と同居していたし、その部屋も地続きだった。
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source : 週刊文春 2022年2月24日号