ウクライナ危機で私たちが考えるべきこと|三木谷浩史

三木谷浩史「未来」 第35回

三木谷 浩史
ビジネス 企業

 ロシアが2月24日、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切った。一般市民にも被害が及び、本当に心が痛む。

 2019年初夏、ウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領と面会したことがある。キエフの街並みの美しさにとても感動したこと、大統領のデジタル分野に関する知識の深さにも大変感銘を受けたことを覚えている。

 ウクライナは「東欧のシリコンバレー」と呼ばれることもあり、実はインターネット業界では注目をされていた国だ。楽天グループでも、無料通話&メッセージアプリのViberが2010年から、ウクライナでサービスを提供してきた。現在では、黒海に面した湾岸都市であるオデッサに事業所を構え、様々なサービスを展開している。

 日本からの駐在員はいないけれど、現地にはローカルスタッフ約130名の楽天グループの仲間がいる。現在の状況を受け、ローカルスタッフの安全確保を最優先とし、状況確認などを鋭意進めているところだ。美しく平和で、民主的で、デジタル分野の目覚ましい発展が期待されていたウクライナがこのような事態に襲われているのは、非常に痛ましい。

 これは、言ってみれば、民主主義への挑戦でもある。

日本への最も大きな影響

 正直、僕にできることは、とても限られている。でも、いてもたってもいられず、まずは、僕のTwitterアカウントで、プロフィール画像や背景画像をウクライナ国旗に変更した。これに賛同してもらえる方々にも、プロフィール画像などをウクライナ国旗に変えてもらい、ウクライナの人々と民主主義を応援しているというメッセージを送ることをお願いした。表現の自由は、民主主義を支える最も重要な要素だ。一人ひとりの声は小さくても、発信し続け、それが紡がれ、拡がっていくことで、多くの人がこの問題に向き合うきっかけになれば、と願っている。

 家族とも相談をして、個人として、10億円をウクライナ政府に寄付することも決めた。楽天グループでも、ポイントやカード決済での募金を開始している。少しでもウクライナの人々の助けになればと思う。

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source : 週刊文春 2022年3月17日号

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