4人きょうだいの末っ子の私。「真理ちゃんを愛します」なんて両親には甘やかされました(笑)。|筒井真理子

新・家の履歴書 第773回

岸川 真
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(つついまりこ 女優。1960年生まれ。山梨県出身。早稲田大学在学中に「第三舞台」で初舞台を踏む。2017年、映画『淵に立つ』で主演女優賞三冠を達成。映画『よこがお』『影裏』『天外者』ほか、ドラマ・CMと幅広く活躍。22年は、映画『蜜月』(3月25日公開)、『N号棟』に出演予定。)

 

 今年で演技の仕事に携わって40年と教えられて驚いてます。若いスタッフさんやキャストと組んで仕事するのは楽しいですね。今度公開になる『蜜月』でも脚本の港岳彦さん、監督の榊英雄さん、主演の佐津川愛美さんとご一緒出来て。自分では年齢なんて忘れちゃってます(笑)。

 女優の筒井真理子さんは1960年、山梨県甲府市で生まれた。6歳上と3歳上の姉、年子の兄がいる末っ子だ。

 生まれてすぐ引っ越したので生家は覚えてないんですが、金手という町にあり、叔父家族と住んでいたそうです。

 記憶にあるのは、青沼という町の木造2階建ての家。2軒長屋で、壁を隔てた隣に同い年の友達が住んでいました。後に彼女の家族が引っ越したので、父の仕事場として借りて。両親と子供、祖母の7人暮らしでした。

 父は地元産の水晶などを扱う貴金属卸業を営んでいました。アイデア豊富な人でピアスのキャッチ部を工夫した商品がヒットして潤ったみたいです。「お金を融通してくれ」って来る知らない人にも断らず、貸してあげたようです。姉が、「お人好しじゃなかったら、私たち大金持ちだったのにネ!」なんて冗談を言うくらい。稼業を手伝う母も「真理ちゃん、ケチはダメよ。特に愛情のケチはね、人生暗くなるから」ってよく言ってました。全国を渡り歩く詐欺師みたいな人がいて、定期的にうちに寄るんです。その人が朝ごはんの時、「筒井さんところが日本一、人がいいや」って(笑)。祖母も「褒められてるんだか、貶されてるんだか」なんて大笑いしてました。

イラストレーション 市川興一/いしいつとむ

大学で演劇と出会い、「第三舞台」へ。「自分をポップコーンの種と思え」には……

 育った家は1階に祖母の部屋と居間、炊事場やお風呂があって、2階に子供と両親の部屋がありました。2階には窓に面した腰掛けがあって、そこから張り出した屋根に乗って遊んだり。よく縁側で着物姿の祖母が長い髪をとかしていました。その軒下に猫が寝てたり。隣の仕事場が手狭になると、小さな事務所を建てました。庭も広くて、ぶどう棚やイチジクの木があり、秋田犬を飼ってましたね。

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source : 週刊文春 2022年3月17日号

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