今年のキャンプ取材で一番、印象に残っている選手が誰かと言えば、実はロッテの松川虎生(こう)捕手(18)だった。

甲子園には高校3年春の選抜に出場した

 昨年のドラフトで市立和歌山高校から1位指名で入団した高卒ルーキー。ドラフトの時点では、バッテリーを組んでいた小園健太投手の注目度が高く、予想通りに2球団が競合の末にDeNAがくじを引き当て1位入団。一方、松川はスポーツ紙の1位候補に名前も挙がらない中、フタを開けたらロッテがいきなり単独指名で獲得した選手だった。

 そんな松川がキャンプ取材で一番、印象に残った理由が、井口資仁監督(47)の尋常ならざる惚れ込みぶりだった。

「(ドラフトの際の資料映像で)僕は城島になれる存在だと思って観ていました」

松川を大絶賛する井口監督

 こう井口監督が引き合いに出したのが現役時代にダイエーで一緒にプレーした城島健司さん(現ソフトバンク球団会長付特別アドバイザー)。城島さんと言えば日本人捕手として初めてメジャーに挑戦し、第2回ワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表の主戦捕手として世界1の立役者にもなった強肩強打のスーパーキャッチャーだ。その城島さんに比肩すると評価しての1位指名だった訳だが、いまや「それ(城島)以上に凄いかな、と」とまで評価は高まっている。

「技術的な部分もさることながら、とにかく高校生離れしたコミュニケーション能力の高さが凄いですね」

 こう話すのはスポーツ紙のベテラン記者だった。

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source : 週刊文春 2022年3月31日号