人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
僕は昔から作り笑顔がうまく出来ない。
そもそも何もおかしいことがないのに笑うなんて不自然だし、ましてや役者でもない僕にとってそれはとても照れ臭い。
それでもインタビュー後か前にカメラマンが作り笑いを求めてくることがよくある。
今では冗談まじりで「じゃ、何かおもしろいこと言って下さいよ」と、返せるようにはなったものの、相変らず表情はぎこちない。
言語化すると「アハハ」までいかず「エヘヘ」止りなのだ。
しかも、そういう時はサングラスもかけているので「もっと歯を見せて笑って」などと、さらに大袈裟を要求される。
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source : 週刊文春 2022年3月31日号