人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
まだ子供が小さかった頃、家族旅行で海沿いのとある観光ホテルに泊りに行った。
フロントで釣竿を貸すサービスがあり、釣った魚を持って帰ると夕飯にフライにして出してくれるという。釣りなどほとんどしたことがなかったが、時間を持て余していたので僕は子供の手を引いて一旦、部屋を出た。
その時、釣り場を聞いたが、ホテルの前の堤防で十分釣れますよとのこと。
釣り餌も同時に渡されたが、うじょうじょ蠢くそれはとても気持ち悪かった。
「頑張って釣ってきてね」
と、出掛ける際、妻に言われたが、先ず釣り餌を針に付けるのが試練だと思われた。
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source : 週刊文春 2022年3月24日号