人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
蘇民将来(そみんしょうらい)の伝説――
“素戔嗚尊(スサノヲノミコト)が旅の途中、一夜の宿を借りようと、裕福な家に住む蘇民将来の弟に申し出たところ断られたが、貧しい兄の蘇民の方は温かく迎え入れもてなした。素戔嗚尊はそのお礼に護符を与え、疫病より免れしめると約束された――”
高校時代、通学電車の行き帰りがいっしょで親しくなったクラスメイトのN。家が1駅違いだったもので、休日にはよく遊ぶようになった。
「オレにええ彼女紹介してくれや」
「お前こそ紹介しろや」
どちらも彼女など出来るはずがなかったもので、それが逆に仲を深めていったともいえる。
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source : 週刊文春 2022年3月17日号