人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。

 空の牛乳瓶に放出した精子を溜め、遊びに来る友人に、「だって、捨てるのはかわいそうやろ」と、まるでペットを飼ってるみたいに言ってたKから披露宴の案内状が送られてきた。

 高校時代、仲はとても良かったが僕が上京してから一度も会っていない。

 案内状の隅に汚い文字で“Sも呼んでるさかい来てな!”と、書いてある。

 それはたぶん、大学時代の友人がメインか、もしくは就職先の上司をたくさん招いているのだろう。

 どちらにせよ、僕がアウェイにならないよう考慮してくれたことに感謝である。

 会場は京都駅近くのホテルだった。

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source : 週刊文春 2022年3月10日号