4月である。新年度、新しい部署、単身赴任や一人暮らし……新しい生活を始めた方も多いだろう。
総務省統計局の家計調査(2021年)によると、一人暮らしの生活費の1カ月平均額は約15万5000円だそうな。やはり新しい生活は何かと物入りである。
私たちの世界でも、この時期に地方から大阪や東京に出て一人暮らしを始める奨励会員は一定数いる。私の弟子もそうだし、私自身も若かりし日に経験がある。
奨励会員は基本、無収入。記録係や1日塾生などの仕事で生活費の足しにする。もっともそれだけでは厳しく、親からすればある程度の仕送りも必須である。
食費を節約してお金を浮かそうとするのは健康に自信があるから。だからこそ、師匠は一人暮らしの弟子を将棋会館で見つけるとこう声を掛ける。
「晩ご飯は食べたか? 一緒に行くか?」
ちなみに弟子の立場で言えば、一人暮らしの場合は非常に嬉しく、親元にいる場合は家で食べられるのでそれほどでもない。
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source : 週刊文春 2022年4月14日号