2018年夏に山口県の行方不明児を救助し、一躍時の人になった“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(82)。あれから3年余り、コロナ禍の今、どんな生活を送っているのか。今年4月16日、大分県日出町の自宅を訪ねると……。
「まぁ中に入りなさい」
トレードマークの赤いねじりはちまき姿で出迎えてくれた尾畠さん。「元気ですか?」と尋ねると、
「実はワシ、悪いとこが3つあるんよぉ。顔が悪い、色が黒すぎる、足が短い……(笑)。治療薬は無いと医者にも言われてな。アッハッハッハ! 庭に自生するドクダミとかヨモギで“薬草茶”を作っちょる。おかげで調子はいいのよ」
朝は早いと3時過ぎに起きるという。
「それからラジオを聞いたり新聞を読んだり。あぁ、プーチンさんね。特別な方やからなぁ。あれがいいほうに動いてくれたら、そりゃもうみんな大喝采やけど。あとは、新聞読んで気になった単語はメモするんよ」
そう言って見せてくれたノートには、〈ユーモアの対義語は緊張だ〉〈ビッグフット(未確認動物)〉〈アイナメ。漢字は(1)鮎並(アイナメ)(2)鮎魚女(アイナメ)と書く〉などと丁寧な文字でギッシリ。
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source : 週刊文春 2022年5月5・12日号